“開催ありき”への違和感
6月号の『コロナ「緊急事態列島」政府はいつまで愚かな対策を繰り返すのか』は、「戦争」とも形容でき得る「コロナ大感染」に有効な手立てを打てない菅首相以下、政府への批判と提言が示されており、共感するとともに、一国民として改めて政府への不信感を募らせた。
ワクチンの国内生産、供給がまだまだ安定しない以上、十分な輸入ルートの確保と円滑な接種が不可欠なはずが、5月の大型連休明けから本格的に始まった高齢者向けの接種予約では、インターネットはおろか電話での予約受付もパンクし、窓口となる自治体はいまだ混乱のさなかにある。
座談会でとりわけ宮坂昌之氏の危惧する五輪の開催については、変異株の大流行もあり、選手やコーチ、IOC関係者など最低限の人員でさえ、感染者が続出することは免れない。
選手団においてクラスターが発生したとき、政府は対応できるのだろうか?
選手には気の毒であるが、国民が反対し、憤怒する東京五輪など、開催している場合なのだろうか?
状況によっては「開催中止」の決断も必要だと思う。(吉沢直人)
皇室の永遠を願う
本誌6月号『小室文書が晒した「眞子さまの危うさ」』。私が学生だった70年代はまだ昭和天皇の戦争責任が問われていて、皇族として戦後初めて沖縄を訪れた皇太子御夫妻(現上皇さま御夫妻)は、ひめゆりの塔に潜んでいた過激派から火炎瓶を投げつけられるような時代だった。天皇家について語ることはタブーであるという雰囲気がなんとなくあった。
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source : 文藝春秋 2021年7月号