前立腺がん 余命半年だから伝えたい10の教訓

「僕の前立腺がんレポート」特別編

長田 昭二 医療ジャーナリスト
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甘く見ていると……発見から抗がん剤副作用まで“失策”に学ぶ

 前立腺がんと診断されて4年、そのがんの骨転移がわかってから3年が過ぎた。いろいろと治療を続けてきたが、転移が判明した時点で「ステージ4」の烙印を押された身なので回復することはない。よくて現状維持、実際のところは「進行抑制」が目的の治療だ。

 それでもありがたいことに、これまでほぼ普通の生活を送ることができていた。その理由は「痛み」がないから。前立腺がんに限らず、がんが骨に転移すると強い痛みが出ることが多い。筆者も骨転移と聞いたときからそれを覚悟し、心のどこかで怯えながら生きてきた。

 しかし、いまのところ左肩甲骨に転移したがんが神経に干渉することで左の肩と腕に鈍痛がある以外は、これといった症状もなく推移してきた。これは本当に幸運なことだ。

長田昭二氏 Ⓒ文藝春秋

 ところがここにきて急速に病気の進行を意識せざるを得ない状況になっている。抗がん剤の効果が薄まってきたようで、腫瘍マーカーの値が上昇、これを受けて「余命半年」を宣告されたのだ。

 そこで今回は、がん発見から現在まで、筆者の身に起きた症状や体調の変化、その時々の医療対応についてつまびらかにすることで、読者諸氏に「前立腺がん」という病気を知ってもらおうと考えた。ぜひ参考にしていただきたい。

前立腺がんは「命を奪う病気」

 時代とともに流行は変わる。ファッションや生活様式だけでなく、病気にも流行がある。

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source : 文藝春秋 2025年1月号

genre : ライフ ライフスタイル 医療 ヘルス