「仕事をしないと身体の調子が悪い」余命半年の宣告を受けながらも、第一線で活躍し続ける長田昭二さんの凄み

vol.79

電子版ORIGINAL

ライフ 医療 ヘルス

「治療費を稼がなくてはいけないので、どんどん書きますよ」

 いつもそう話してくれるのは、医療ジャーナリストの長田昭二さん(59)。12月号では、17ページにわたる大特集「5つの臓器のアンチエイジング」を担当していただきました。

長田昭二さん ©文藝春秋

 膵臓、心臓、肺、腸、腎臓のスペシャリストが、老化のメカニズムと老化対策を解説しているこの特集。ベテランの長田さんの人脈を生かして、九州大学病院病院長の中村雅史教授、東大医学部長の南學正臣教授ら錚々たる面々を取材していただきました。

 過去の記事でご存じの方もいるかも知れませんが、長田さんは前立腺がんのステージ4、いわゆる“末期がん”患者です。

 今回の特集も、抗がん剤治療の合間を縫っての取材でした。さらに、取材と執筆が佳境に入った10月上旬に、抗がん剤で押さえ込んでいた腫瘍マーカーが再上昇してしまい、「余命半年」の宣告を受けました。

 がん患者が余命宣告を受けながら取材する。それも、地方出張をこなしつつ、17ページ=1万5000字の記事を書く……想像すると、壮絶な仕事風景が思い浮かぶかも知れません。

 ところが、ご本人はいきいきと、落ち着いて仕事をされています。「仕事をしないと身体の調子が悪い」などと言いながら、仕事はこれまで通りなのです。九州出張の際には、絵葉書を送ってくる余裕まで。10年以上のお付き合いになりますが、これまで以上に原稿の質もスピードも上がっているような気もします。

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