上皇上皇后両陛下に対するネガティブな感情はなぜ湧きおこるのか
今、ネット上に、上皇・上皇后への批判、さらには誹謗中傷があふれている。そう言うと、それは秋篠宮家に対してではないのか? という答えが返ってくることもある。たしかに、眞子内親王と小室圭さんとの結婚をめぐる問題以降、秋篠宮家に対するネット上での批判や誹謗中傷は続いている。週刊誌などでも秋篠宮家に関する記事は多数書かれ、そのなかでは批判が継続して展開されているため、多くの人々がその状況を知っている。
ところが、上皇・上皇后にもネット上でそれがあると言うと、驚かれる。しかも、ネットを見ていないような世代ではなく、見ているような若い人たちでも、意外にそれに気がついていない。おそらく、テレビや新聞、雑誌などのマスメディアでそうした批判や誹謗中傷が展開されているわけではなく、ヤフーなどのネットニュースのコメント欄、そしてX(旧Twitter)などでなされているからだろう。そして、象徴天皇制・皇室に関するニュース・記事を丁寧に見ていないと、あまり気がつかない。しかし、それはかなり深刻な問題を含んでいて、しかも最近では目立って一定の影響力を持ちつつあり、このまま放置しておけば、より大きくなって象徴天皇制・皇室の危機に繋がるのではないかと私は思う。
「テニスコートのお話も古過ぎて」
では、その上皇・上皇后への批判、さらには誹謗中傷には具体的にどのようなものがあるのだろうか。紹介するのも正直憚られるのではあるが、読者のみなさんにはそれを知らない方も多いと思うので、ここに記しておきたい。特に多いのは、上皇・上皇后が外出したことを伝えるネットニュースのコメント欄での、根拠のない批判や誹謗中傷である。上皇・上皇后が2023年8月22日から4年ぶりに夏の軽井沢で静養したことを伝えるフジテレビ配信のヤフーの記事に対して、次のようなコメントが付けられていた。
静かにお忍びで行こうと思えば行けるのに報道陣をわざわざ呼んで記事にさせるのは何故なの?
テニスコートのお話も古過ぎて老人しか知りませんし時代遅れのロマンスは興味もないです
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source : 文藝春秋 2023年11月号