《特別再録》「日本の顔」小澤征爾(昭和41年3月号)

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2024年2月6日、指揮者・小澤征爾氏が死去した。『文藝春秋』の名物グラビア連載「日本の顔」では、当時30歳だった若き日の小澤氏に密着取材していた。今回、特別に公開します。

トロント・シンフォニー(カナダ)の常任指揮者、シカゴのレビニア・フェスティバルでの音楽監督、ニューヨーク・フィルハーモニー副指揮者としての仕事を中心に欧米各地の交響楽団を指揮してまわるなど、現地で「クレイジー小澤」の異名をとるほど最近の小澤氏はすさまじい活動をしている。昨年の暮には日本フィルハーモニーでベートーベンの「第九」を指揮するために帰国した。

 

日本フィルハーモニーの練習場で

昭和10年奉天生れ。33年には桐朋学園音楽科をおえて翌34年には、ギターを背にスクーターにまたがって音楽武者修行の旅に出た。その旅先フランスのブザンソンで国際指揮者コンクールにでて、一等賞を獲得したのをスタートに世界に飛び出したのである。

指揮棒を手にするとファイトの塊のようになる。踊るように全身で音を表現しようとする繊細でしかもダイナミックな指揮ぶりは多くのファンを魅了してしまう。

 

帰国するとかならず成城学園の合唱団“城の音”の指揮をする。小澤氏がはじめて指揮をしてから15年も続いているという思い出深いグループである。練習の合間に団員たちと興じているのは、ニューヨーク直輸入の最新のモンキー・ダンスである

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source : 文藝春秋 1966年3月号

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