●キオクシア、米マイクロンなどに巨額の支援
●仙台でも台湾メーカーが新工場を建設
●熊本は7兆円、北海道は18兆円の経済効果
「半導体は今や世界の『戦略物資』とも言うべき存在だ。安全保障の要であり、我が国においても半導体産業は異次元の国家的支援の対象となる。現に2023年度の補正予算では2兆円もの金額を投入した」
自民党の幹部が唸るように呟いた言葉だ。
「半導体」とは簡単に言えば、電気を通す「導体」と、通さない「絶縁体」との中間的な電気抵抗を持つ材料を使った電子部品のことである。電気信号の増幅、スイッチング、電気から光への転換などを行う。自民党幹部が世界の「戦略物資」と重視するのも当然のことであり、半導体がなければ、液晶テレビも、ゲーム機も、自動車も、パソコンも、スマホも作れない。
現在、世界における半導体の市場規模は78兆円だが、経産省によれば、2030年に100兆円に達すると予測されている。「AI革命」「SDGs」など、半導体の需要増加が見込まれる世界的な潮流を加味すれば、早くも2025年には103兆円を超えると筆者は見ている。
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source : 文藝春秋 2024年4月号