反抗期がなかった——まっすぐ育った一人っ子は祖父と肩を並べるか(取材・構成 佐藤祥子)
――琴ノ若関、大関昇進おめでとうございます。今年1月の大相撲初場所で13勝をあげ、臨時理事会の満場一致での大関昇進でした。お祖父様は元横綱の琴櫻、お父様は師匠の佐渡ヶ嶽親方(元関脇琴ノ若)と、相撲部屋で生まれ育った新大関の誕生に日本中が沸きましたね。大関としての実感はいかがですか?
琴ノ若 ありがとうございます。ただ、まだ大関に上がったというだけですから。すべてはこれからですし、「大関!」と呼ばれても、今は実感があまりないんです。「え、誰のこと……? あ、自分か」という感じです。
親方 挨拶回りで忙しくて、ゆっくり実感する時間もないからね。でも大関昇進は、師匠としても、父親としても嬉しい限り。これを機に先代(元横綱琴櫻)の四股名を襲名するのか注目されたけど、次の春場所だけは私から受け継いだ四股名「琴ノ若」で大関として土俵に立つ。孝行息子ですよ。
琴ノ若 「琴櫻」襲名は先代との約束ですが、1場所だけでも琴ノ若の名前で大関として土俵に立ちたいと思っていたんです。
親方 先場所は特に、取組前の顔つきに、「やってやるぞ!」という強い気持ちが出ていたな。今までは勝ち越した時に、「おかげさまで勝ち越しました」とニコッと挨拶に来ていたけど、先場所はそれがなかった。帰って来ると、まず仏壇に手を合わせて、四股を踏んでいたし。
琴ノ若 先輩大関の琴奨菊関(現秀ノ山親方)が、本場所から帰ってひたすら四股を踏む姿をずっと見ていましたから。
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source : 文藝春秋 2024年4月号