現代美術家(左)と日本画家(右)。アート界を牽引する兄弟は?

福岡県北九州市の門司で5人兄弟の末っ子として生まれた父・福壽郎さんは終戦後、20歳で自衛隊に入隊し、除隊後に上京。小倉出身の母・イツ子さんと結婚し、隆と裕二が生まれた。
「75歳までタクシー運転手として家族のために走り続けた親父は、夜働いて昼間は寝る生活ですれ違いでした。僕らは仲のいい兄弟だったようで、『兄ちゃんといれば何か面白いことが起きる』と思っていましたね」(裕二)
「私は幼少期の記憶がほとんどありませんが、生活が貧しかったことだけは覚えています。板橋の家はボットン便所。雨がたくさん降ると、便所の中身まで雨水と一緒にプカプカと浮かぶ光景は、目に焼き付いています(笑)」(隆)
成長した兄弟はともに東京藝術大学美術学部絵画科に入学。2000年には弟・裕二が日本画家として日本美術院同人に推挙され、現代美術家となった兄・隆は同年の「スーパーフラット宣言」で一躍スターダムにのし上がる。
「親父は無類のプラモデル好きで、僕らのオタク気質は親父譲り。忙しい中でも繰り返し聞かせてくれた敗戦の記憶や、戦争ものの番組を一緒に見たことは、創作にも強く影響していると感じています」(裕二)

村上隆(右)1962年2月1日生まれ 現代美術家/村上裕二(左)1964年10月9日生まれ 日本画家
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source : 文藝春秋 2024年4月号