偉大な業績を残し、世を去った5名の人生を振り返る追悼コラム
★鳥山明
漫画家の鳥山明(とりやまあきら)は、愛嬌のあるキャラクターが大活躍する作品を描き、漫画とアニメに新時代をもたらした。
1980(昭和55)年『週刊少年ジャンプ』に連載を始めた『Dr.スランプ』はたちまち人気漫画となる。主人公の「アラレちゃん」は少女の姿をしたロボットだが、ペンギン村の仲間と破天荒の活躍をした。明瞭で美しい描線や意表を突くギャグも新鮮だった。
55年、愛知県の清洲町(現・清須市)に生まれる。父は当時自動車修理店を経営。幼時から絵を描くのが好きで、漫画は「小学4年生ぐらいまではよく読んでいました」。その後、デザインに興味を持ち、高校では漫画研究同好会の会長となるが、自分では描かなかったという。
卒業後、地元の広告代理店に入ってデザインやイラストを担当する。しかし、3年で退職して、『週刊少年ジャンプ』の新人賞に応募し始め、最初の掲載作品は78年の「ワンダー・アイランド」だった。80年からの『Dr.スランプ』はテレビアニメ化され、翌年、申告所得額が5億3924万円で長者番付文化人部門の1位に躍り出る。
84年から『週刊少年ジャンプ』に連載を始めた『ドラゴンボール』は、武術を身につけた少年・孫悟空が、7つのドラゴンボールを手に入れるため次々に敵と戦う物語で、同誌が週600万部を突破した最大の推進力といわれた。さらに同作品は世界中で翻訳され、単行本の累計発行部数は2億6000万部を超える。
ゲームデザイナー堀井雄二を中心に制作されたロールプレイングゲーム『ドラゴンクエスト』でもキャラクターデザインをひきうけ、世界中のゲームファンにプレイされるのに大きな貢献をした。
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source : 文藝春秋 2024年5月号