被災経験が平成日本を鍛えあげた
平成7(1995)年1月17日午前5時46分。
ドーーーーーーーン。
下から突き上げるような大きな衝撃で、私は目を覚ましました。飛行機が墜落したのか、はたまた山津波か。何が起こったのか。次の瞬間、猛烈な揺れが襲ってきました。
地震だ――。
だが、私が知っている地震とは別物でした。大地の魔神が、我が家を激しく揺さぶり、潰れるまでやめない。家族を皆殺しにする気かと、終わらぬ大揺れに殺意を感じたのです。暗闇のなかでも、室内を家具が飛び交うのが分かりました。私にかろうじて出来たのは、妻との間に寝ていた6歳の末娘を、魔神に連れ去られないよう、必死に押さえることだけでした――。
阪神・淡路大震災は、6434名もの死者を出した、戦後史における未曾有の大災害でした。私の住む兵庫県西宮市も、1126名の方が犠牲になりました。私の家族は全員無事だったものの、我が家の下には亀裂が走り、最大で25センチも建物が水平移動し、傾きました。
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source : 文藝春秋 2019年1月号