数ある大学の学部の中でも経済・ビジネス系の学部では、多くの人が卒業後に就く「職場」に最も近い学問が学べる。

　慶應の商学部は慶應義塾創立100周年を記念し、1957年に経済学部から分離したが、その前史は、1890年、「理財科」の設置にまで遡る。現在はどんな学問を学べるのか。

　岩尾俊兵准教授は、東大で初めて経営学で博士号を取得したことが話題に。近著『世界は経営でできている』（講談社現代新書）で、「人生経営」を軽妙な文体で論じている。

「私の講義は、約700人の学生が、3〜4人組のチームを作ってケーススタディをおこなっています。常にチームを入れ替えるので、大変な中にも新鮮さがあるはず。商学部では、『明日、どう稼ぐのか』という当事者的な目線の高さの議論と、組織運営を理論化する上空数万メートルの議論を行き来する教育が特徴です。経営には、会計や数理はもちろん、人の上に立つ困難に立ち向かうために哲学や文学の知識も必要です。様々な学問の知見を借りてはじめて、経営という“知的総力戦”に取り組むことができるのです」

　岩尾氏は、こうしたディスカッションによって思いもよらぬ“出会い”が生まれていると話す。

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