イシバノミクスはどっちだ〈経済か、財政か――だけではない、これからの日本経済を大激論〉

緊急特集 首相誕生

河村 小百合 日本総研調査部主席研究員
中空 麻奈 BNPパリバ証券グローバルマーケット統括本部副会長
柴山 和久 ウェルスナビ代表取締役CEO

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金融所得課税、解雇規制緩和、財政再建──総裁選で課題は見えた

❶石破氏に求められる経済政策

 軽部 自民党総裁選の告示前に行われた世論調査では、議論してほしいテーマに「経済」を挙げる人が32%と一番多かった(「朝日新聞」8月27日付)。インフレで物価高が続くも、賃金上昇が追いつかず、苦しい生活を強いられている現状を変えて欲しい。多くの国民の関心は、そこにあるのでしょう。

 候補者たちは政治とカネ、憲法改正、外交・安全保障など、様々な分野の政策を掲げてアピール合戦を行いましたが、最後まで「これだ!」という経済政策が聞こえてきませんでした。皆が見栄えがいいことを言いますが、本当に実現できるの? という内容が散見されましたね。

 中空 「成長投資」は何に向けてか、「増税なし」は現実的か、という疑問もありますし、さらに「国民の所得を倍増する」という提案には多少の驚きもありました。金融資産を増やし、賃金も恒常的に上げていく。それを両輪として増やしていくということでしょうが……。

 軽部 加藤勝信さんは所得倍増を、10年、15年のスパンで実現するのだと豪語していました。

 中空 なるほど、長期的スパンで行う、と。賃金を上げることを重視して賃上げ税制政策をプランとして挙げておられるので総論賛成なのですが、所得倍増のハードルは高い気がします。

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source : 文藝春秋 2024年11月号

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