受賞のことば 安堂ホセ
『DTOPIA』は3作目の小説で、目に見えない暴力に対してあせる気持ちが物語を動かす力になってくれたと思います。
小説は書くまでに時間がかかるし、刊行するのにも時間がかかります。その時差によって、今のことを書けば書くほど、どうしても古さが際立つこともあると思います。
でもこの小説を書いているとき、そういうことはあまり気になりませんでした。今のニュース、昔の報告資料、これからの脅威についての議論を取り込んでいくたびに、そこに身を置いているキャラクターたちがいきいきと躍動してくれました。本当に楽しかったです。
この賞をきっかけに、また誰かが読んでくれたら嬉しいです。
〈略歴〉
1994年、東京都生まれ。2022年、「ジャクソンひとり」で第59回文藝賞を受賞しデビュー。
受賞者インタビュー 安堂ホセ

これまでとは違うことがしたかった
──安堂さんは現在30歳、2022年のデビュー作「ジャクソンひとり」、23年発表の「迷彩色の男」が芥川賞候補となり、3回目の候補となった「DTOPIA(デートピア)」で芥川賞を掴みました。
人生で最初に書いた小説は、21年の「文藝賞」(「文藝」が主催する小説の新人賞)の最終選考に残った作品とのことですが、その以前に小説を書こうとしたことはなかったのですか?
安堂 小説を読むのは好きでしたが、書いたりはしなかったです。
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source : 文藝春秋 2025年3月号