
1杯550円(税込)。2代目店主、実は“コーヒー嫌い”。それでも淹れたコーヒーはさわやかな味わいで、酸味が心地良い。ココアもおすすめ

1967年、『蒼ざめた馬を見よ』で第56回直木賞を受賞した五木寛之は、その知らせを純喫茶ローレンスで受けた。
「当時私は高校生。経営は両親の代ですが、店に入るたびに五木さんを見かけました。ほぼ毎日、昼から約5時間半、原稿用紙と向き合っておられた」
そう話すのは、二代目店主の邑井知香子さん(75)。受賞の2年前に妻の郷里・金沢に移住した五木は、同店に足繁く通った。
注文するのは、大きなカップになみなみ注がれたコーヒー。長時間執筆するにも十分な量だ。
長く店を続けるためにと、現在は予約制で営業は2時間のみ。昨年発生した能登半島地震は同店にも被害をもたらしたが、邑井さんは「来年創業60年を迎えるし、まだまだ頑張れたら」と話す。作家が愛した名店は、静かにその歩みを続けている。

入口近くの一角にある五木の指定席
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source : 文藝春秋 2025年3月号