平成元年に鎌倉へ居を移し、源氏山の麓で耳を澄ませた。
〈小鳥のさえずりも気分がいいが、和やかにしているときの人間の声には、はるかに美しい響きがある。煙草を思う存分ふかしながら庭に立って天から降ってくる人の声に耳を傾けていると、世界と抱き合っているような安心感がある〉(「青春と読書」平成17年8月号「庭先の真理」)
煮詰まると散歩へ。昭和52年創業の同店は定番コースの一つだ。「ひょっこりひょうたん島」を観て育ったという店主の小木曽榮さんが振り返る。
「おしゃれな人でね。先生に貰ったネクタイが、私の最初で最後のアルマーニになりました」
妻の和賀江さんが続ける。
「はじめの頃は幼い息子さんと、闘病中も奥様と手を取り合って来てくれました。家族が一番大事、その言葉を忘れません」
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source : 文藝春秋 2024年10月号