■連載「日本人へ」
第263回 戦争よりも、大切なのは戦後
第264回 「ある程の菊投げ入れよ棺の中」
第265回 アルマーニとの四十年
第266回 紅一点でありながらダイヤの切っ先にも?
第267回 今回はこちら
本誌の十一月号は、十二月号が送られてきた今でも手許に残してある。その号がとりあげていた「AIと働いてみて得意と不得意が見えてきた」と題された対談が、考えさせる材料を与えてくれたからだった。
対談は、三菱UFJフィナンシャル・グループのトップの亀澤氏と、Sakana AIの共同創業者という伊藤氏の間で行われた。三菱とサカナはAIを使ってのコラボ関係に入るそうで、要は、カネならばある側とカネはなくてもアイデアならばある側のコラボということなのだろう。具体的には、サカナの提案を入れたにしろ三菱の内部を、「AIネイティブ」的な組織に作り換えていくことであるらしい。
なにしろ、三菱側の投資というのが莫大な額。AIはタダでは働かない。給料は払わなくても、すさまじい量の電力を「食べる」のだ。社員を「AIネイティブ化」するにも、カネはかかるのである。三菱側は、より踏みこんだAI化のために、三年で五百億円だった予算枠を百億円増額し、両者の契約は三年超におよび、三菱は最大で五十億円規模を支払うのだという。誰に? サカナに、でしょう。でサカナ側はリスクを負わないでいて五十億円丸もうけできるわけ? われわれ物書きだって出版社の倉庫に返品が山積みになろうものなら重版はゼロ、という形でのリスクは負っているというのに。まあ、こんなケチな話はやめて、AIの得意と不得意に話を進めよう。サカナの伊藤氏もそれは、正直に素直に分析してくれている。
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source : 文藝春秋 2026年1月号


