各界で活躍する“達人”たちが、人生を変えた「座右の書」を紹介する連載。達人たちはどのような本を読み、どのような影響を受けてきたのか、その半生とともに振り返る――。第9回は、内閣府(旧総理府)出身で、内閣府初代男女共同参画局長、埼玉県副知事などを歴任した昭和女子大学総長の坂東眞理子さんが登場。
(取材・構成 稲泉連)
■連載「達人の虎の巻~人生を変えた『座右の書』~」
第1回 谷内正太郎 「100点よりも51点の答案を」安倍外交の中心人物が読書で培った姿勢とは
第2回 大村智 ノーベル賞受賞者は、なぜ北里柴三郎にほれ込んだか
第3回 栗山英樹 僕は中国古典を読んで大谷翔平の「二刀流」を信じた
第4回 山根基世 「普遍的なものを言い当てていた」元NHKアナウンサーが仕事の支えにした一冊
第5回 柳田邦男 「暗唱できるほど心揺さぶられた」ノンフィクションの先駆者が感銘を受けた作品
第6回 大﨑洋 市場の貸本屋から始まった「本に囲まれた生活」
第7回 加藤登紀子 本で出会った「いい男」たち
第8回 齋藤健 「論理より空気で動く日本型組織」と「理想の政治家像」
第9回 今回はこちら

坂東眞理子(ばんどう・まりこ)
昭和女子大学総長。1946年、富山県生まれ。富山中部高校、東京大学卒業後、1969年に総理府(現内閣府)に入府。内閣総理大臣官房参事官、男女共同参画室長、埼玉県副知事、在オーストラリア連邦ブリスベン日本国総領事などを歴任。2001年から、内閣府初代男女共同参画局長を務め、2003年に退官。2004年から昭和女子大学教授、2007年から同大学学長、2014年から同理事長、2016年から同総長を務める。著書に約320万部の大ベストセラーになった『女性の品格』ほか多数。近著に『人は本に育てられる』(幻冬舎新書)。
私は富山県中新川郡の立山町五百石という小さな田舎町で生まれ育ちました。地名を聞いただけでも田舎と分かるような、ほんとうに静かな町です。
子供の頃の私はちょっと周囲から浮いていたところがあって、あまり話の合う友達もいなかったので、まあ、孤独だったのでしょう。幼い頃から自然と本の世界に親しむようになりました。
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