川端康成、小林秀雄、石原慎太郎、開高健、向田邦子、小松左京、村上春樹……。
菊池寛が作った「場」で文士は大胆に、正直に語った

「私は頼まれて物を云うことに飽いた。自分で、考えていることを、読者や編集者に気兼なしに、自由な心持で云って見たい。友人にも私と同感の人々が多いだろう。又、私が知っている若い人達には、物が云いたくて、ウヅウヅしている人が多い。一には、自分のため、一には他のため、この小雑誌を出すことにした」
「文藝春秋」を語るとき決まって引用されるのが、菊池寛の「創刊の辞」である。
文学を狭い世界から解き放ち、社会的な存在へと広げていきたい思いが短い言葉に率直に表れている。表紙に目次を刷り込んだ簡素な雑誌は、「新潮」などの文芸誌と比べて破格に安い、定価10銭に設定された。
「創刊の辞」のすぐ下、同じ1ページ目に掲載されたのが、友人芥川龍之介の「侏儒の言葉」である。
「道徳は常に古着である」「一国民の九割強は一生良心を持たぬものである」「正義は武器に似たものである」「人生は落丁の多い書物に似ている」「あらゆる神の属性中、最も神の為に同情するのは神には自殺の出来ないことである」
有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
今なら初月298円で楽しめる

-
1周年キャンペーン中!
1カ月プラン
1周年記念
キャンペーン価格初月1,200円
298円 / 月(税込)
※2カ月目以降は通常価格1,200円(税込)で自動更新となります。
-
6カ月プラン
新規登録は50%オフ
月あたり1,000円
500円 / 月(税込)
初回特別価格3,000円 / 6カ月(税込)
※6カ月分一括のお支払いとなります。7カ月目以降は通常価格6,000円(税込)で自動更新となります。
-
こちらもオススメ
1年プラン
新規登録は50%オフ
月あたり900円
450円 / 月(税込)
初回特別価格5,400円 / 年(税込)
※1年分一括のお支払いとなります。2年目以降は通常価格10,800円(税込)で自動更新となります。
既に有料会員の方はログインして続きを読む
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2023年1月号