〈今度原稿料が入ったらBUSHへ連れて行くぞと愛弟の清六さんににやにや笑いながら申したと言うくらいですから、BUSHは相当賢治にとって魅力があったわけです〉
大正12年創業の老舗蕎麦屋「やぶ屋」。親戚の歌人・関登久也が著した『賢治随聞』では、宮沢賢治が同店を英語で「藪」を意味するブッシュと呼び、足繁く通う様子が描かれている。
「創業者と賢治さんの年が近く、共にハイカラ好きで意気投合。店を閉めた後も、賢治さんが戸を叩けば快くもてなしたそうです」(業務部長・笹川博之さん)
毎回頼むのは、好物の天ぷら蕎麦と三ツ矢サイダー。現在は「賢治セット」の名でファンに愛されている。熱い蕎麦を啜り、冷えたサイダーをゴクリ――。
この絶妙な喉越しに、宮沢賢治は虜になったのかもしれない。
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source : 文藝春秋 2024年9月号