経営の劣化を感じざるを得ません――。KADOKAWA元会長の角川歴彦氏が、夏野剛社長CEOら現経営陣に異例の質問状を送っていた。
(角川氏の質問状全文、夏野社長からの回答書要旨は、本記事文末に掲載しています)
経営責任を問うべく、一通の「質問状」を送った
いまのKADOKAWA経営陣のガバナンス・内部統制には、あまりにも問題があり過ぎる。「企業は社会の公器」とは松下幸之助さんの言葉ですが、彼らの経営は、その自覚に欠けてしまっているのではないだろうか。
そう考えた私は、2025年3月12日、代表権を持つ夏野剛社長CEOと山下直久CHRO(Chief Human Resource Officer)宛に、経営責任を問うべく、一通の「質問状」を送りました。

角川歴彦氏(81)は1966年に角川書店に入社。「ザテレビジョン」「東京ウォーカー」などの創刊に携わり、1993年、社長に就任した。KADOKAWAを三大出版社(講談社、集英社、小学館)に比肩する出版社に育て上げ、2017年には会長となった。
だが2022年9月、東京五輪のスポンサー選定を巡る汚職事件で、東京地検特捜部に逮捕された。容疑は、元部下と共謀の上、電通出身の五輪組織委員会元理事に賄賂を渡して、スポンサー選定を依頼したというものだった。角川氏は一貫して容疑を否認。再三の保釈請求は却下され続け、保釈されたのは逮捕から226日後のことだ。検察の起訴後、会長としての責務を果たせなくなると考え、会長職を辞任した。
いまのKADOKAWAは、2021年に社長となった夏野氏がトップ。同氏はNTTドコモでiモードビジネスの立ち上げに携わり、後にドワンゴに移って、ニコニコ動画の運営に関わっていた人物だ。山下氏も夏野氏と同時に代表取締役に就任、ナンバー2として支えている。
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