自転車の上にいる人ならではの思考のドライブ感
自分の力だけで高速で進む。高度に情報化した現代において、自転車はどこまでも身体的だ。ペダルをこげば体がホカホカしてくるし、車と違って風を全身に感じることができる。渋滞にも満員電車にも煩わされずに都会の高いビルの合間を疾走したかと思えば、農村のでこぼこ道も涼しい顔、重い荷物もへっちゃらだ。自転車が与えてくれるのは、強烈な自由の感覚と気分の高揚である。
実際、自転車はしばしば進歩的な価値観と結びつけられてきた。あるときそれは窮屈な衣類を脱ぎ捨てた「解放された女性」のシンボルとなり、またあるときは圧政や占領軍に対するレジスタンスを可能にする機動力の高い手段となり、さらに現代では大気を汚す自動車文化に対抗する環境保護の処方箋となっている。
有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!
初回登録は初月300円
月額プラン
初回登録は初月300円・1ヶ月更新
1,200円/月
初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。
年額プラン
10,800円一括払い・1年更新
900円/月
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き
電子版+雑誌プラン
18,000円一括払い・1年更新
1,500円/月
※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事が読み放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年7,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 塩野七生・藤原正彦…「名物連載」も一気に読める
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2025年6月号