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そもそも女子大は「女の園」ではない

 そもそも、お茶大をはじめとする女子大は男性が立ち入れない「女の園」ではありません。男性教員はたくさんいますし、事務や守衛など男性職員も数多く働いています。単位互換制度やいろいろな学術的な催しで他学の男子学生が来校することは日常です。2005年度「トランスジェンダー論」の講師として半年間、お茶大に通った私が言うのですから間違いありません。そこに少数(おそらく数人)のトランス女性が加わったとしても、性暴力の可能性が高まることはほとんどありません。

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 つまり、こうした批判は実態を知らずになされている批判のための批判なのです。

 夏が終わる頃、ようやく沈静化し、やれやれと思ったのですが……。

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「よるバズ!」で再度トランス女性排除に火がついた

 第2段階は今年(2019年)の1月からです。

 1月5日放送のAbema News「みのもんたのよるバズ!」で元参議院議員の松浦大悟氏がこう語りました。

「今、イギリスで大問題になってまして、(中略)手術をしなくても性別移行ができるようになっているのが、世界の潮流なんですね。それで性自認が女性だとなれば男性器がついていようとも、更衣室、女性更衣室に入れなければいけないということになっているんですよ。それについてフェミニストの人たちが大反対してまして、『冗談じゃない』と、自分たちは性被害に遭っている人がいっぱいいて、恐怖を感じると。」

 この発言がTwitterで拡散されて、一気にトランス女性排除の炎が大きくなりました。

「女性の専有空間への侵略だ!」「性暴力が怖い」

 松浦氏は、野党が提出しているLGBT差別禁止法案への批判として述べていますが、法案には当然のことながら性別区分の変更は含まれていません。自らの主張のためにトランス女性を生贄にする論理展開は非道であり、明らかなミスリードです。

「外見が男性のトランス女性が女性トイレに入ってくる」「男性器つきのトランス女性が男性器を見せながら女湯に入ってくる」

 どちらもあり得ないです。なぜならトランスジェンダーの定義は「生まれた時に指定された性別と違う性別で生活している人」です。「外見が男性」では、実際問題、女性として生活できません。またトランス女性にとって男性器の存在は最も他人に見られたくないものです。それを隠さず女湯に入ってくるとしたら、それはトランスジェンダーではなく別物(露出症など)でしょう。

 
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