警察、といえば誰もがよく知っているアレが思い浮かぶ。白バイをはじめとする交通警察にはちょっと“苦めの”印象を持っている人も多いだろうし、交番のお巡りさんに困りごとを助けてもらった人もいるだろう。刑事さん……とは直接関わることは少ないけれど、テレビドラマなどでお馴染みである。他にも警察の仕事はいろいろあるけれど、たいていはそんなイメージだ。

天皇陛下や皇室を護衛する仕事

 ところが、日本に一風変わった警察がある。その名も「皇宮(こうぐう)警察」。警視庁とか大阪府警とか神奈川県警とか、そうした警察の“くくり”のひとつに「皇宮警察」というものがあるのだ。名称のインパクトと同じく仕事内容も他の都道府県警とは大きく違う。彼らの任務は、「皇室守護」。日本の象徴たる天皇陛下や皇室の方々を護衛するのが皇宮警察の仕事である。もうそれだけで、なんとも特殊な世界であることが伝わってくるではないか。

皇居正門前に立つ皇宮警察

 都道府県警との細かい違いはたくさんあって、例えば一般的には“警察官”と呼ばれるところ、皇宮警察では“護衛官”と呼ぶのだ。護衛するのがお仕事なのだからさもありなん。そして彼らの立場も都道府県警の警察官が原則地方公務員なのに対して、皇宮護衛官たちは国家公務員。皇室守護という任務からして、これも当然といえば当然である。

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 と、かくも語ったところで、正直ピンとこない。皇室守護と言っても一体何をしているのか。“SPさん”とは何が違うのか。そうしたあたりは当の本人に聞くべし! というわけで、皇宮警察の知られざる“裏側”をお届けしよう。初回は、皇宮警察の若手ホープ・青木拓哉巡査長皇宮巡査へのインタビューを通じて、他の都道府県警との“違い”をクローズアップ!(「皇宮警察」全4回の1回目/#2#3#4 公開中)

皇宮警察の青木拓哉巡査長皇宮巡査

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――そんなわけで、唐突ですが一体どんなお仕事をしているのですか?

青木さん 吹上護衛署に所属していまして、普段は基本的に天皇皇后両陛下をはじめとする皇室の方々が通られるお道筋の警備にあたったり、あとは日常的な門の出入の確認ですね。