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自殺サイトで出会った“仲間”と集団自殺

 多くの観光客で賑わう、関西でも人気の高いエリアから少し外れた町に、その一軒家はありました。木造の3階建てで、細長い、いわゆるペンシルハウスです。その3階の一室で練炭による集団自殺が起きたのが、そもそもの始まりです。亡くなった内の1人はその家に住む男性でしたが、あとの2人は「自殺サイト」で知り合った“仲間”たちでした。

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 ちなみに集団自殺というのは、だいたい練炭を用いて行われます。皆で首を吊ったり、刃物で刺し合ったりしても、誰かは失敗して死にきれないことが多いからです。そうなると、「集団自殺に見せかけた殺人事件ではないか」と、生き残った人が疑われてしまうことも少なくありません。「全員確実に死ぬ」という目的を達成するには、やはり密室で有毒ガスを発生させることが一番なのです。

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 少し脱線しましたが、集団自殺が起きた後、その一軒家は“事故物件”として、通常よりも安い価格で売りに出されました。すると、ある男性が事故物件であることを承知して、そこを購入したのです。集団自殺があった家でも気にしないし、それが理由で安くなるならむしろお得だ――ということだったのでしょう。

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シロアリ業者が床下を覗くと……

 それから10年ほどの月日が経ったある日のこと。変わらずその事故物件に住み続けていた男性は、シロアリ駆除の業者を呼びました。シロアリが出たのか、業者に営業をかけられたのか、それともなんだか床下が気になったのか……。理由はわかりませんが、その家を訪れたシロアリ業者が床下を覗くと、そこにはブルーシートに包まれた、人の体ほどの大きさの“何か”が2つ横たわっていたのです。