昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

来年、再来年には爆発的なブームが到来する

――昨年、今年とメディアがスパイスカレーを取り上げることが増えた印象ですが、それでもまだまだ?

印度 まだまだです。ブームが来たと言っても、まだ都内の現象でしかないんですよ。私は宮城県出身なんですが、地方には来ていません。

 それに、カレーブームがくることは、カレーにハマり始めた大学1年生の頃にすでに予想してたことなんです。カレー作りの手軽さ、バリエーションの多様さについても話しましたが、そもそも日本人の味覚が変わってきているんですよね。

 

――味覚が変わってきている?

印度 まず、確実に健康志向が浸透してきています。スパイスは身体に非常にいいので、スパイスカレーと健康志向の相性はとてもいいです。

 次に、数年前のパクチーブーム。あれだけ香りにクセがあるのに、ブームの後は、多くの人がパクチーを受け入れました。さらに言えば、その後のケバブブーム。パクチーはタイ料理で、ケバブはトルコ料理なので、残るはインドだな、と思ったんですよね。

 

 だから、来年、再来年にはもっと爆発的なブームが到来するはずなんです。そのブームが来たら回る歯車を、つまり言い換えれば基盤を確実に作っておかなきゃ、という気持ちでやっています。

原石を見つけちゃったから、磨くしかなかった

――説得力がある……。起業家マインドとはこのことか、という気持ちです。

印度 いやいや、起業は成り行きで、本当は専業主婦になりたかったんですけど。

――えーっ! 今日聞いたお話の中で、一番びっくりしています。

印度 将来の夢もなかったですし、人付き合いも得意なほうではないので、研究者になって将来の旦那さんを探そうかなって思ってたんですけど。

 でも、ある日スパイスカレーに出会っちゃって。絶対に成長することが約束されている原石を見つけちゃった感じだったんですよ。磨けばめちゃめちゃデカいダイヤモンドになることがわかってる原石を見つけちゃったら、もう磨くしかないじゃないですか。

 

――たしかに、そのへんに捨てておこう、とはならない。

印度 ならないですよね? もっと言えば、私と同じタイミングで「これは原石だ」って気づいている人がいっぱいいるはずだと思ったんですよ。他の人に先を越されたときに、「私のほうが先に見つけてたのに」って言っても負け犬の遠吠えにしかならない。それだけは絶対に嫌だったんですよね。

 当時は大学1年生だったので、在学中にやれば、もっと多くの人が注目してくれるかもしれない。学生という肩書を使えば、スパイスカレーに対して「簡単」「手軽」といったイメージを持ってもらえるかもしれない。

 そうやってがむしゃらにやっているうちに、人生も変わったし、名前も「カリー子」に変わっちゃいました(笑)。

――スパイスカレーで人生も、名前も変わっちゃった。後悔することはありますか?

印度 もちろんありません! スパイスカレーにハマってから、人生が本当に楽しくなっちゃったので。読者の方にも、ぜひぜひにカレーにハマってほしいですね。

 

写真=平松市聖/文藝春秋

ひとりぶんのスパイスカレー

印度カリー子

山と渓谷社

2019年5月24日 発売

この記事の写真(14枚)

+全表示

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー