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「キミだけ特別扱いは難しいなあ」なぜ働き方改革は進まないのか

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 賃労働をする私たちにとって、“働く”ということは生活の中でとても大きなウェイトを占めることになります。1日のほとんどの時間を労働に割いていると言っても過言ではありません。だからこそ、心も身体も安心して働けるシステムを作ることはとても重要なこととなります。

 世間の風潮としても、「長時間労働を規制して従業員の健康を守ろう」というような意識が少しずつ浸透してきていますよね。

 そういう取り組みの1つとして“働き方の多様化”に注目も集まってきています。

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 たとえば、自宅で作業をする“リモートワーク(在宅勤務)”。インターネット技術が進展した今の時代、職種によっては職場に行かずとも仕事をすることが可能になってきています。

 しかし会社によって、それが可能であるにも関わらず、「従業員を守る働き方」を取り入れられていないところも、まだまだ多いですよね。今回は、そんな“働き方の多様化”をテーマに、従業員と仕事内容それぞれにあった働き方を考えることの大切さをマンガにしました。

 子育て中で赤ちゃんの夜泣きがひどく、寝不足が続いている従業員Aさんは、「当面、午前中だけでもリモートワークで対応できないか?」と上司に掛け合います。

 実際、育児と仕事を同時にこなしている方にとって、リモートワークや時短勤務で柔軟に働き方を調整できることはとても大きなメリットですよね。また子育て中ではなかったとしても、朝の満員電車を避けられたり、ウィルスの感染拡大を防いだり、とても効果的である場面がとても多くあります。

 しかしこの上司は、リモートワークに切り替えることに否定的な反応。その結果、無理な働き方がつもりにつもって、Aさんは倒れてしまいました…。

 もちろん職種や時期によって柔軟な対応を取ることが難しい場合もありますが、このAさんは普段から1人で進める仕事が多く、また頻繁に電話でミーティングする習慣もあるため、十分に対応が可能だったのではないかと思われます。それでも上司は、次のような理由で反対します。

「朝礼が伝統だから」
「集まって仕事するのが普通」
「1人だけ特別扱いはできない」
「リモートってサボる人が出そう」

 でも、よくよく考えてみると、あまり合理的な判断とは言えないような気がしませんか?

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