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女性のひきこもりがイベントに参加しにくい理由

 林氏らの実態調査によると、ひきこもり女性のなかで「男性が苦手、怖い」という回答が、全体の7割近くに上った。

 その理由として、「学生のころ、男子生徒からのいじめがあり、男性が怖くなった」、「男性からのDVや性被害に遭った」、「父親から身体的虐待を受けていた」という声が聞かれた。林氏らは、予想以上に男性に対する不信感や根強い苦手意識があることにとても驚いたという。

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 内閣府が2018年に実施した「男女間における暴力に関する調査報告書」によると、女性の約13人に1人は無理やりに性交等をされた経験がある。しかも被害経験があったと答えた人の約73%が顔見知りから被害を受けていた。さらに加害者との関係に着目すると、実親から被害を受けた女性は2・4%、養親・継親または親の交際相手から被害を受けた女性は2・8%に上る。つまり、性暴力は「見知らぬ人から屋外で」被害に遭うケースもあるが、「見知った人から屋内で」というものもあるのだ。

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逃げ場なき恐怖……暴力を耐え忍ぶ「家事手伝い」女性

 過去に家庭内で性被害を受けたひきこもり女性の多くは、「働いていないし、養ってもらっているから抵抗できない」と恐怖に怯え、さらには「断れなかった自分が悪い」と自らを責めながら生活していたという。身内に加害者がいることで、被害を訴えることができない。相談できるコミュニティすらなく、想像を絶する環境に置かれて逃げ場すらない。

 もちろん、すべてのひきこもり女性が性被害に遭っているというわけではないが、「家事手伝い」という言葉の陰に女性の性被害者が潜んでいる可能性があることを忘れてはならない。

 さらに、女性のひきこもりにはもともと「男性が怖い」と感じる人が多いため、社会に出て、さらにパワハラやセクハラ、いじめなどに遭い、男性への恐怖や男性そのものが原因になってひきこもるケースも多い。

 勇気を振り絞って行政などの相談窓口にたどり着くことができたとしても、担当者が男性であれば、話しかけることすらできなかったりする。加害者男性とは別人だと頭ではわかっていても、同じ男性というだけで恐怖心を覚えてしまうのだ。

「ひきこもり自体は悪いことではないから、ただ見守るだけでいい」

 そういった配慮が必要なケースもあるだろう。しかし、その一方で、性被害やあらゆる暴力被害を訴えることができない人もいるということを、胸に留めておかねばならない。ひきこもり女性の支援については、とりわけそうした視点を持ち合わせているか否かで、アプローチが大きく変わってくるからだ。