昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2020/03/26

 韓国では、教会で、若い人の間に感染が拡大しました。症状が出た人の他に、教会にいた濃厚接触者の検査をまずは徹底的に行ったので、無症状の人も必然的に多く検査することになりました。韓国も、患者が大量に出たので、多く検査をしたというのが実情だと思います。テレビで専門家を称する人が主張するように、誰にでもPCR検査をやっていたわけではありません。 

 韓国は致死率が低く、イタリアは高いですが、これも韓国独自の対策の成果というよりは、韓国の陽性者は若年者が多く、イタリアの陽性者に高齢者が多いことを反映していると思います。韓国では医療崩壊は起こっていませんが、重症者が少ないからではないでしょうか。 

3月上旬以降、PCR検査の状況は改善している

──今、日本ではPCR検査が適切に行われていると言えますか。 

忽那 3月上旬に保険適用がなされ、保健所を通さなくても検査ができるようになりました。 

 以前は、わたしたち医師が、検査が必要と判断しても断られるケースがあったことは事実です。たとえば、新型コロナウイルス感染が非常に疑わしい患者さんでも、一度検査を受けて陰性が出ると二度目の検査を断られてしまい、家に帰すしかなかったこともありました。 

 

 しかし、現在は、保健所を通さなくてもよくなったので、状況は改善しています。 

検査数が十分かは地域にもよる

──検査数が少なすぎるのでは、という声は根強くあります。ドライブスルー検査が必要だという声もありましたが。 

忽那 少なくとも東京都では、必要な症例には検査がされている状態と考えます。なぜなら、医師が「この人は感染しているのでは」と疑って検査をした症例での陽性率(=実施した検査の中で、陽性の結果が出た確率)が東京都の場合、5%程度だからです。つまり、医師が感染を疑った患者さんのうち、実際に陽性の患者さんは20人に1人なので、検査数が少ないことで感染者を大量に見逃している、ということはないはずなのです。 

 例えば、「検査をした2人に1人と陽性が出る」という状態ですと、市中に広く蔓延し、見逃されている例があると考えられますが、今はそのような状態ではありません。

 検査数が十分かどうかは、地域によっても異なります。クラスターが発生している兵庫、大阪、愛知などでは、もう少し検査をした方がいいかもしれません。 

(注:25日には、東京都内の病院でも10人以上のクラスター感染が確認された。検査を受けた89人中41人が陽性と報告され、今後の陽性率を注視する必要がある。)

 

 ドライブスルー検査をするのであれば、どんな人に検査をするのか、症状や接触歴があるなど、対象をはっきりと絞る必要があるでしょう。 

──外来をされていて、マスコミの影響を感じたことはありますか 。

忽那  PCR検査の対象ではないというと、怒ったりされたことはあります。明らかに他の疾患の場合でも、「検査をしてくれないのか」と言われたこともあります。また、同僚が、PCR検査をわざとやっていないのではないか、と、言われたようです。