日本外人部隊、ハリコフに立つ

 冒頭、戦場となったかつての穀倉地帯に、C-17輸送機からHIGH-MACSが降下する。OPムービーと同じシチュエーションから始まるステージ1の衝撃は今でも鮮明に覚えている。降下の最中に流れる無線音声演出は、CD-ROM採用による大容量化の恩恵によるものだろうし、今でこそ3Dなんて珍しくもないが、90年代中盤は当時「次世代ゲーム機」と呼ばれていたセガサターン、プレイステーションによってようやく一般化が始まったばかりだった。限定的ながらも立体的なシューティングゲームとして登場した本作は、まさに次世代のゲームを体感させてくれた。

『ガングリフォン』ステージ1冒頭(画像取得のため筆者所有ソフトをエミュレーション、超解像処理にかけており、厳密なゲーム画像と異なります)

 技術の進歩だけではない。ガングリフォンで重要なゲーム要素に「補給」の概念があった。敵が落としたり、落ちているアイテムを回収して補給・修理を行うゲームは今でも珍しくない。だが、初代ガングリフォンでは、補給や修理は飛来するCH-47ヘリによって行われる。あらかじめ決められた時間・場所にやってくるヘリに接近して、補給・修理作業を行う形式をとっている。

様々な「らしさ」とゲームとしての面白さが両立

 重要なのは、ここが戦場だということだ。CH-47の進入ルート上に敵部隊がいた場合、CH-47が撃墜される場合もあり、そうなると補給は受けられない。そのため、補給を確実に行うには、あらかじめ進入ルート上の敵を掃討しておく必要があった。補給がくるかと思ったら、初めて撃墜されてしまった時は驚いたものだ。

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自衛隊のCH-47J輸送機(陸上自衛隊フォトギャラリーより)

 技術やシステム面で、それまでと一線を画したゲームを見せつけたステージ1は、自分にとってまさに「神回」だったのだ。様々な「らしさ」とゲームとしての面白さを、高いレベルで両立させたところにこの作品の妙があると思う。

 だが、2000年に発表された続編の『ガングリフォン ブレイズ』では、ヘリ補給システムがアイテム制に変わり、ここが従来のファンから不評を買っている。ゲームとしては十分良作だったんだけどね……。