1ページ目から読む
2/3ページ目

 山万は環境への配慮を大きなテーマにしており、街の中には電気自動車や電動バイク用の給電スタンドを設置。電気自動車のカーシェアリングにも早くから取り組んでいる。また分譲する戸建て住宅は、太陽光発電パネルを実装し、環境負荷の少ない街づくりを計画的に進めている。

(写真はイメージ)©️iStock.com

持続可能性を持つ驚異のニュータウン、ユーカリが丘

 毎年少しずつ、宅地分譲、戸建て分譲にマンション分譲を組み合わせて計画的に街づくりを進めてきた結果、この街の人口は年々増加し、今では人口1万8549人、7619世帯(2020年8月現在)を擁する一大タウンに成長している。分譲終了後数年が人口のピークで、以降は衰退の一途をたどる他のニュータウンとは異なり、ユーカリが丘は持続可能性を持つ驚異のニュータウンになっているのだ。

 街が発展している証拠に、40年前から分譲しているのにもかかわらず、2016年6月にはイオンタウンが新たにオープンしていることからも、この街の成長具合を実感することができる。

ADVERTISEMENT

 このエリアの子供(0歳から9歳)の人口は2011年に1298人だったものが、2020年には1808人、なんと39%もの高い伸びを示し、ここ数年の新規購入者のプロフィールを見ても、30代の若いファミリーが中心になっている。 

一度は街を出た子供たちが再び帰ってくる

 山万の宅地開発はただ単に住宅を小出しに分譲しているだけではない。街としてどういう機能が必要になるか、街の成長とともに考えているところに山万の特徴がある。

(写真はイメージ)©️iStock.com

 タウン内には、総合子育て支援センターや保育所、老人保健施設、グループホーム、温浴施設、映画館、ホテルまで、すべてが揃わっている。まるで街の行政そのもののような事業展開だ。老若男女みんなが楽しめる稀有な街を作るのが彼らの目的だ。

 人生にはいろいろなステージがあって、そのステージごとに住みたい家、環境は変わってくる。こうしたニーズに対して山万は、「ハッピーサークルシステム」というシステムを採用する。戸建て住宅からタウン内の老人保健施設に移り住む高齢者の家を買い取りリニューアルしたうえで、若い世代に再販売することで、街の中でのライフサイクルを自らが手掛けているのだ。その結果、この街で育って社会人になり、一度は街を出た子供たちが、家族を持って再び街に帰ってくるようになったという、これまでのニュータウンではありえなかった事象までおきている。