賠償金の出どころは
三菱重工業を相手にした2018年11月の徴用工裁判では原告が勝訴し、原告側は韓国内の三菱重工業の資産として「特許権と商標権」の差し押さえ命令を裁判所に申請し認められたが、三菱重工業は昨年暮れにこれに抗告している。今回の元慰安婦の裁判では、執行対象として、駐韓日本大使の自動車などがその対象になるのではないかと見られている。
韓国では過去、韓国内の米軍基地で働いていた韓国人被雇用者が、不当解雇されたとして起こした裁判で原告が勝訴し、財産の差し押さえが執行されたが、その対象となったのは米国政府が韓国の銀行にプールしていたビザの手数料だった。結果的に米国政府がこれを認めたため、賠償金が支払われたケースがあったという。
13日の原告は「正義連」側
13日に判決が予定されている元慰安婦の裁判は、2016年12月、前「挺身隊問題対策協議会(挺対協)」、現「日本軍性奴隷問題解決のための正義記憶連帯」が支援する元慰安婦とその遺族ら20人(現在)が日本を相手に1人当たり2億ウォン(約1900万円)を求めて提訴したものだ。原告には、昨年5月に挺対協の尹美香元代表の寄付金使途不明疑惑などを告発した李容洙さんも名を連ねる。
李さんは昨年11月11日の口頭弁論に出席した際、切々と次のように訴えていた。
「今まで何度も国対国で解決してくれると信じてきました。けれど、日本は(私たちが)みんな他界することを待っているだけで、韓国も積極的に取り組まず、対策も立てないので、この悔しさを法へ訴えるためにここにいます」「この慰安婦問題はユネスコに登録されなければなりません。これからの人にこの歴史を知らせなければいけません」
この判決の行方では、国際法がどう解釈されるかという点も注目されている。李さんの訴えを聞いていると、慰安婦問題が人権問題として再び、国際的な関心を集めるところにもあるように思う。