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「排除の時代」から「過剰順応の時代」へ
――14人中1人!
豊田 でも上の世代はもっと大変でしたからね。「文藝春秋digital」で赤松良子さんのインタビューを読みましたけれど、(旧労働省しか女性キャリアの採用がないなど)その頃が最も男尊女卑的で、女性にとって「排除の時代」ですよね。次が、私たちの世代で「過剰順応の時代」。
――過剰順応、ですか。
豊田 男性社会の論理に順応できるんだったら入れてやるよという……。
――男性社会に同化して行動する「名誉男性」になれ、というような?
豊田 そうですね。私は男尊女卑が当たり前と思って育っているから全然抵抗がなくて、むしろ女であることで周囲に迷惑をかけては絶対にいけない、男性の何倍も働いて初めて認められると考えていました。月300時間残業や泊まり込みも、自己肯定感が低いから必要とされると嬉しかったのもあって、もちろん男性と同じようにやっていました。職場の飲み会では、今で言うセクハラもありましたよ。でも波風立てるのも良くないと思って、やり過ごしていました。考えてみれば、確かにこれも過剰順応ですね。ただ、男性ばかりの組織に「入れてもらった」以上、我慢すべきと思っていました。でも、厚労省では、皆さんに大事に育ててもらって、今もずっと感謝しています。
写真=深野未季/文藝春秋