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五輪は東京の再開発のためのものなのか?

 そして、スタジアムの建て替えや選手村の建設など、オリンピックに費やされた154億ドルもの金を「福島の復興や原発事故の処理に充てることはできなかったのか」と疑問を投げかける市民の声を紹介したうえで、南相馬市の元市長・桜井勝延氏の「今回の五輪は福島の復興のためのものなのか、それとも東京の再開発のためのものなのか、と考えてしまいました」というコメントを掲載。「復興五輪」という言葉の空々しさを改めて指摘した。

開会式 ©JMPA

大会恒例のオリンピックコンドームの配布は…

 一方、カナダのCBCは7月20日、コロナ禍の特殊状況下で五輪に挑む自国選手たちの葛藤を伝えた。

《今回のオリンピックは、コロナ禍においてできる限り安全に進めるために、ルールを決め、テストを何度も行いながら開催されることになる。

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 従来であればアスリートとして最も忘れられない経験となるはずだった、(他の世界中から来たアスリートなどと)交流する機会や仲間意識を育む機会はほとんどない。選手は競技の5日前にしか到着できず、競技終了後24~48時間後には選手村を離れなければならない。選手たちは通常、開催地の街に出かけその土地の魅力を楽しむことができるものの、今回は異なる。また、大会恒例のオリンピックコンドームの配布は、選手が帰宅する際に渡されることになる。

 オリンピック選手として数多くのオリンピック村を経験してきたカナダのオリンピック委員会団長、マーニー・マクビーン氏は、「あのような社交場は経験できないでしょう」と話す一方、「コロナ禍でアスリートたちは従来とは全く異なるユニークな経験をしています」とも語った。

「CBC」公式HPより

「食堂では、各席の各方向に仕切りが設けられているため、ガラスの箱の中に座って食事をしているような気分になります。選手たちはお互いの顔は見えることをとても喜ばしく思っているものの、ガラス越しに見える人に電話をかけないといけない気がするようです」

「日本にいるとは思えません。奇妙な感じです」と競技会場の近くにあり、厳重に管理された宿泊施設に滞在し、自転車競技に参加するマイク・ウッズ選手は語った。同選手は、「トレーニング以外でホテルから出ることも、トレーニング中に止まることも許されません。ツールドフランスで見かけたのと同じ顔ぶればかりですし、富士山や日本語の道路標識が目に入ることを除けば、日本にいることを実感できないのです」

 同選手は、「リオ大会では、自分がオリンピックに参加している気分になりました」と話し、「(リオ大会中の選手村の)食堂では、異なる競技に参加するアスリートと交流することができ、本当に素晴らしく特別な体験でした。一方、今回の大会に関しては、別の自転車レースにきたような気分です」と語った》

 閉幕まで残り2日。世界最大のスポーツイベントでもある五輪に対して、世界中からさまざまな視線が注がれている。