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――トークイベントではどういった事を話されるんですか?

 日本はすごく文具が豊富な国なので、最新作をごっそり持って行って、現地のファンの方に「こんな文具がいま日本で出ていて、この国でも数カ月後には出ます」みたいな話をしています。

――現地のメーカーの方ではなく、ファンの方に向けてなんですね。

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 そうですね。イベントは現地の卸売業者などが主催者で、来る方は文房具ファンなんです。そこで通訳さんを挟んでわーっと話す感じですね。

海外での活動も少なくないという ©文藝春秋 撮影・上田康太郎

――今まで何カ国くらい訪れたのでしょうか。

 あんまり数えた事はないんですけど、ドイツ、イタリア、フランス、上海、台湾、タイ……。改めて今度数えてみます(笑)。

――日本は海外より種類が豊富なんですね。

 国にもよるんですけれども、やっぱり日本って優秀な会社が多いです。特に世界的な筆記具メーカーは多いですよね。パイロットとかゼブラ、三菱鉛筆、セーラー万年筆、プラチナ万年筆とか、筆記具を中心に多いですね。安くて質の良いものが手に入るというのは日本のすごく大きな特徴だと思います。

きっかけは小学生時代の“おもしろ消しゴム”

――文具界のインフルエンサーとして活躍中ですが、そもそも菅さんがその魅力に目覚めたきっかけはなんでしょうか。

 私は元々、あんまり人前で話すのも得意じゃなくて、学校でもクラスメイトとわいわいしゃべるっていうタイプではなかったんです。

 小学生の時に“おもしろ消しゴム”という、サッカーボールとかお寿司の形をした消しゴムがすごく好きで、いろんな種類をたくさん集めていたんですね。

おもしろ消しゴム 提供:菅未里

 それをたまたま学校に持っていって、机の上に置いておいたらクラスメイトの子が「何、これ」って話しかけてくれて。それで、「あ、面白い文具を持っていると話しかけてくれるんだ」っていう(笑)。それがきっかけでハマっていったって感じですね。

©文藝春秋 撮影・上田康太郎

――きっかけは些細なことだったんですね。そこからさらに“沼”へとのめり込んでいったのはなぜでしょうか。

 小学校の時の“おもしろ消しゴム”で人と話したのをきっかけに、中学校・高校でも同じ手を使って、ちょっと周りと違う文具を持っていくというのをずっとやり続けていたんですよね(笑)。そのうち「文房具っていろいろあるんだ」っていうことに気付いて、いろいろと買うようになっていって、それが今に至る感じです。

 大人になってからは大型雑貨店の文具部門で働いていました。いまの文具ソムリエールというのも運良く仕事にできましたね。