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「洗い流さないトリートメント」「ヘアオイル」「バーム」…整髪剤、なぜカタカナの商品名が無限に増えるのか

2022/04/24
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セット力はない「洗い流さないトリートメント」「ヘアオイル」

  • 洗い流さないトリートメント

 ドライヤーで乾かす前に付けることで、髪の内部に浸透してトリートメント効果が得られる、「メイクの下地」のようなイメージです。ヘアケア用品としてもスタイリング剤としても利用できますが、セット力は無く、他のスタイリング剤と併用することもできます。

 オイル状かクリームタイプが多く、使用すると程よいしっとり感やまとまりが出て、指通りも良くなります。

 業界では「アウトバス(out-bath)トリートメント」と呼びますが、一般に認知されている名称ではないため、「洗い流さない」と文字数の多い呼び名がよく使われています。

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 ですがその呼び名のため、誤解を受けやすい注意点が2点。

1.お風呂で使うトリートメント(「インバス(in-bath)トリートメント」と呼びます)やコンディショナーとは別物です。そもそもの用途が違うため、洗い流さないトリートメントで代替できる、というものではありません。

 

2.洗い流さないトリートメントはオイル状のものも多いのですが、「ヘアオイル」とは別物です。ヘアオイルを濡れた髪に付けて乾かそうとすると、油膜が邪魔して乾きにくくなります。

  • ヘアオイル

 オイルの油膜を髪に張ることで艶感やしっとり感、束感を演出することができます。セット力はありません。

 付ける量によって濡れたような質感にでき、近年のヘアスタイルのトレンド傾向と合致しているので、定番化しています。オーガニック系コスメの流行もあり、スキンケアと併用できる商品も多くあります。

「バーム」「ヘアバター」もこちらに該当します。これらは固形の油で、手に取ると体温で溶けて液体になります。呼び名の違いは商品の印象付けを狙ったもので、製品としての違いはありません。

 

「椿油」もこれに属します。「椿油」はもったりと重たい質感になりやすく、髪に蓄積しやすい特徴があります。

 椿油はシャンプーでも流れにくいので、毎日付けると重たくなり過ぎてしまうこともあります。そのため、アジアンビューティーな黒髪ロングには適していますが、動きのある軽やかな髪を求める方には、適していません。