アカエイの下処理は意外と簡単
アカエイの可食部は、主に左右に広がったヒレと肝。肝はカワハギのそれと比べるとやや不健康にも見えるが問題ない。
また、アカエイやサメなどの軟骨魚類は体内に尿素をため込んでいるため、死後微生物による分解が始まるとアンモニア臭が発生する。私は臭いのする個体に当たったことはないが、釣行後は迅速に下処理を済ませたほうが良い。
下処理方法
(1)ヒレを切り取る(調理ばさみがオススメ)
(2)100均のブラシで体表のヌメリを取る
(3)ヒレ両面の皮を剥ぐ(キッチンペーパーで掴んで引っ張ると滑らず剥げる)
(4)塩水処理
(5)取り出した肝をお酒で洗う
下処理が終わったアカエイのヒレ、これがまた全然美味しそうじゃないんですよ。
見た目が不味そうな魚でもサクにすると上品な身だったりすることはあれど、捌いたらよりグロテスクな展開なんて、そりゃキープするハードルが一向に下がらないのも分かる。
それでも引き続き調理を進める。
エイヒレだけじゃない! 内臓まで食べられるアカエイの味とは?
まずはエイヒレ作り(料理の専門家ではないのでご理解ください)。
エイヒレの作り方
(1)甘口醤油と味醂を合わせた甘めのタレに一晩漬ける
(2)取り出したエイヒレの水分を拭きとる
(3)100均の野菜干しネットでカラカラになるまで10日間ほど放置(夏場は冷蔵庫でラップ無し乾燥を推奨)
できあがった自家製エイヒレがこちらだ。
タレに漬け込んでいたので、市販のエイヒレより褐色気味である。干上がった昆布にも見えなくない。
果たして釣ったアカエイは美味しいのか?
そのままだと硬いが、火で炙ることで身が柔らかくなる。すぐさま一口大に割いてみると、感触はまるでスルメのようだ。口に含むと香ばしさが広がる。ヒレの肉は噛み応えがありながらもしっとりと柔らかく旨味がしっかり出てくる。タレに漬け込んだ効果が発揮されている。そのままハイボールで流し込むと……。
美味い! アカエイの見た目からは想像できない「美味しいおつまみ」に仕上がっていた。5ミリ程度の線状に割いて食べると手が止まらない。最後まで美味しさを疑っていたが、自信をもって紹介できるおつまみであった。
もう一品は、エイヒレの仕込み中に冷凍しておいた片方のヒレの肉を削ぎ、片栗粉をまぶしてから揚げにした。
サクッとした衣に対して、身は鳥皮のようにもっちりした食感。エイヒレと同じ食材とは思えない“肉感”があり、お酒だけでなくご飯まで進む品になっている。また過去の写真になるが、エイは肝も食べられる。特に生食ではつるっと舌触りが良く癖のない肝だ(※自己責任でお願いします)。
逆に加熱すると特大サイズのサザエの肝感があり、ドロッとしていて単体では箸が進まない印象だった。
アカエイは調理が大変だが、唯一無二の美味しいおつまみができることが分かった。