近海の大物「ボラ」を釣って食べよう
釣り場で誰かがビッグファイトをした後、あがってきた魚を見てギャラリーがさーっと引いたらそれはボラだ。慌てることなく釣りを続ければ良い。堤防で釣りをしていると、そのような光景を何度も目にする。
しかし、それは自分も同じこと。先日、コイの吸い込み仕掛けでクロダイを狙っていたところ、渦中の人になってしまった。
持ち帰っておつまみにする予定だったのでボラの血抜きをしていると、さらに奇異の目で見られることになった。やはりボラがゲストとして定着しているからであろう。毎回ボラを持ち帰る“ボラ派”の人間ではないが、最高のおつまみを作ってこの状況を引っくり返してみようじゃないか。
体表は恐ろしいほど臭かったが…
一般的にボラは外海で冬に釣れる「寒ボラ」が美味しいとされる。大型河川の河口や内湾など水質や底質の悪い環境で釣れたボラは、恐らく下処理にかかわらず不快な思いをする場合があるので避けた方が良い。
ある程度条件が限定されるが、その上でボラは下処理を丁寧に行うと美味しくいただける。今回私が釣ったボラは、4月の外海で釣ったとはいえ体表は恐ろしいほど臭かったので、内心美味しく食べられるか不安であった。
ボラの下処理方法
(1)内臓をその日のうちに取り除く
(2)各ヒレをカットしてウロコを剥がす
(3)100均のブラシを使って塩で体表と腹部のヌメリと臭いを取る
(4)頭を落として完全に水気を取る
(5)まな板を使った場合は一度洗浄する
皮に臭いが残ったまま熟成させたりまな板で調理すると、身に臭いが移るので(3)のプロセスは念入りに行う必要がある。
ボラを使って鮭とばならぬ「ボラとば」を作ってみよう
ボラの最大の特徴は、何と言っても圧倒的な肉量。
おつまみとして高価な鮭とばをボラで代用することができたら、コスパの良い食材として間違いなく認知されるはずだ。そして、私自身おつまみに困ることのない生活を手に入れることができる。
早速調理開始。
「ボラとば」の調理方法
(1)ボラを縦長に切る(今回は皮アリとナシを用意)
(2)塩を振って2時間水分を抜く
(3)甘口醤油と味醂のタレに一晩漬け込む
(4)100均の野菜干しネットで10日間ほど乾燥(季節や天候による)
完成したボラとばがこちら。
ボラと言われなければ分からないほど鮭とば感が出ている。身に脂が乗っていたため、表面に滲み出た脂が美味さを物語っている。皮や血合いが焦げ茶色をしているのが気になるところだが……。