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くら寿司で“障がい者いじめ” 被害者が退職に追い込まれていた

くら寿司で“障がい者いじめ” 被害者が退職に追い込まれていた

本部からの謝罪を受け職場復帰したが…

 納得がいかない叔母は、直談判するため、5月6日に吉田さんを伴って店舗を訪れた。しかし、X店長は驚くべきことを口にしたという。

「『うちの子が障がい者やから軽んじているんですか?』とX店長に聞くと、『はい』と言ったのです」(叔母)

 一方、同席した本部の障がい者雇用担当のY氏は出勤停止処分について、「謝らなければならない」と述べた。叔母と吉田さんは開き直るX店長に腹が立っていたというが、「謝罪もあったので、甥は引き続きくら寿司で働くことにした」(叔母)。

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 ところが――。5月9日に職場復帰した吉田さんはこう言われたという。

「洗い場から出ないように。本部命令です」

 吉田さんが語る。

「仕事を与えられず、約4時間、洗い場に立っているだけでした」

取材に応じる吉田さん(右)と叔母(左)

 同様の状況は、5月11日に出勤した際も続いた。「こんな職場では働けない」と思い、叔母がくら寿司に退職を申し入れたという。

 X店長を直撃した。

――吉田さんを犯人と決めつけたのはなぜか。

「私は言えないので」

――「障がい者を軽んじている」と認めたのか。

「(「軽んじている」という)日本語の意味を理解していなかったんで、私は」

 次第に声が大きくなったX店長は「なんで俺がここでこんな話聞かなあかんの」と言い放ち、店に戻っていった。

 くら寿司本社に、シャリに異物を混入させたという理由で吉田さんを出勤停止処分にした理由や、「障がい者を軽んじているのか?」と聞かれたX店長が「はい」と答えたことに関する見解などを質問すると、以下の回答があった。