1dayトーナメントでは羽生善治九段が解説に
――一時期は、LPSAのイベントや棋戦に連盟の棋士や女流棋士は出てはいけないと言われていたこともあったようですが、今は多くの棋士、女流棋士が出演するようになりました。
中倉 個人的なつながりがある棋士、女流棋士に直接お願いすることもありますが、大事なときは日本将棋連盟に相談してから出演をお願いしています。日本将棋連盟のイベントに呼んでいただくこともありますし、LPSA主催のイベントへの出演依頼も歓迎していただけるようになり、双方に歓迎という形は、とてもありがたいです。羽生先生(善治九段)に府中での1dayトーナメント(女流棋士6人程度で持ち時間の短い将棋を公開で指す)に解説としていらしていただけたのは本当に嬉しかったですね。やっぱり将棋連盟を代表する棋士の先生ですから。
LPSA15周年の記念の5月30日には、日本将棋連盟の佐藤康光会長からスタンドのお花が送られてきました。こちらから15周年ですとお知らせしたわけでないのに、覚えていてくださって。うちの事務所にはもったいないような大きな花で、大変ありがたかったです。
勉強時間を確保し、長く現役を続けていきたい
――記録係もLPSAの女流棋士がよくとるようになりました。
中倉 女流棋戦はもちろん、男性棋戦の記録をとることもあります。私自身も記録係は務めています。LPSA内で1人何局とノルマにはしていませんが、内部でバランスをとりながら、LPSAとしてやるべき分はこなしています。堀さん(彩乃女流1級)は、オンライン活動はあまり得意ではないですが、記録係はよく務めていただいて、男性棋戦の記録もよくとっています。引退した大庭美樹さん(女流初段)もたくさん記録をとってくれていますね。
――最後に中倉先生ご自身の将棋のことをお聞かせ下さい。LPSAのYouTubeチャンネルでは中倉先生のご自宅の研究部屋を公開されていましたね。代表としてお忙しい中で時間を作って研究されているのでしょうか。
中倉 私は勉強しているかどうか如実に結果に出るタイプ。4年ほど前に11連敗、年度全敗してしまったことがあり、そのときはあまり勉強できていなかったように思います。ファンの方に一番言われるのは「対局頑張ってください」。代表として忙しいとか言い訳はできるけれど、やっぱり勝つのが一番喜んでいただける。若手に勝つと嬉しいというか「まだ現役を続けていいのかな」と思ったりします。あれだけ忙しくても結果を出している将棋連盟の佐藤会長は凄すぎて比べられませんけれど、私も勉強時間を確保し、長く現役を続けていきたいと思います。
写真=石川啓次/文藝春秋