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山上〈世界平和家庭連合? ポルポトか? スターリンか? ヒトラーか? どんな地獄だ? 人の生き血はどんな味だ?〉(20年12月15日)
米本〈カッカしなさんな。出発点が狂っている〉(20年12月16日)
山上〈復讐は己でやってこそ意味がある。不思議な事に私も喉から手が出るほど銃が欲しいのだ〉(20年12月16日)
米本氏が語る。
「(山上の手紙は)うまいね。行あけもうまい。文章が明快でした」
山上は典型的な「宗教2世」だ。数々の“カルトの子”を取材してきた米本氏にはどう映っているのか。
「多くの宗教2世の感情は内に向いてしまう。外への攻撃に向かったのは、私がこれまで見てきた中でも彼だけ。彼の母親は“子供より統一教会”だった。親は選べない。その問題を一番に考えるべきなんです」
米本氏は統一教会に関しては“反統一教会”批判も展開。『我らの不快な隣人』(08年)では、信者を拉致監禁して脱会させてきた家族と協力者の行動を厳しく追及している。
なぜ山上は米本氏に手紙を託したのか?
統一教会を憎悪し続けてきた山上は、なぜそんな米本氏に手紙を託したのか。
米本氏は「僕が“反カルトのカルト性”を問題にしていることをおそらく彼は知っているから」と語り、山上から届いた手紙の一節を指し示した。