府警が二重の不手際だ。

 大阪府高槻市で養子縁組をした女性を保険金目当てに殺害した疑いなどで、高井凜容疑者(28)が8月25日に再逮捕された事件。その1週間後の9月1日朝、高井容疑者は府警福島署の留置場でちぎったシャツを金網に掛けて首を括るなどして自殺を図り、同日夜、搬送先の病院で死亡した。府警はそれを防げなかったばかりか、自殺に至る経緯について虚偽説明を重ねていたことが9月7日、発覚したのだ。

署内で自殺した高井凜容疑者(本人SNSより)

 全国紙社会部記者の話。

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「1日午後の説明では『高井容疑者の自殺の予兆は把握していない』ということでしたが、翌2日、高井容疑者が家族に宛てて『先に逝く』と書いた便せんがノートに挟まれていたと発表。が、その時も『きょう(2日)未明に把握した』としていました。ところが、報道を目にした幹部から『1日の発表前から把握していたはずだ』と指摘があり、すべてが虚偽の説明だった、という異例の発表となったのです」

 虚偽説明を繰り返していたのは、府警本部の留置管理課の戸山明夫調査官。高井容疑者の自殺問題に関する府警のスポークスマンだったが、虚偽説明を公表して以降、会見から外された。戸山氏は「つじつまを合わせるためだった」などと釈明しているという。

 だが、ずさんな対応は本部ばかりではない。7日の会見では、福島警察署の新たなミスも明かされた。