昨年10月に職員が在籍するベトナム人留学生を鎖と南京錠で拘束した行為が人権侵害だと認定され、今年9月7日、出入国在留管理庁に日本語学校としての告示を抹消する処分を下された福岡市の「西日本国際教育学院」。同庁は、現在も在籍している留学生約630人についても、転校させるよう指導する方針だという。
今回、西日本国際教育学院の複数の現役職員が「週刊文春」の取材に応じ、学院が所有する2つの学生寮に関して、衛生状態を含めた住環境が劣悪であり、9月中に意識不明で緊急搬送される入居者が相次いでいたことを明かした。
職員が留学生を鎖で拘束する動画がSNSで拡散
西日本国際教育学院を運営するのは学校法人宮田学園。法人の代表である総長は宮田道郎氏、日本語学校トップの学院長をその妻・宮田智栄氏が務めている。これまでにネパール、ベトナム、スリランカなどアジア各国から日本で就学・就職を希望する留学生を数多く受け入れてきた。
学院に注目が集まったのは昨年12月。職員が留学生を鎖で拘束する動画がSNSで一気に出回ったのだ。
「昨年10月、ベトナム人留学生が転校を申し出たところ、職員がパスポートと在留カードの提出を要求。これを拒否したところ、職員が自分のベルトと留学生のベルトを鎖でつないで南京錠をかけ、約3時間にわたり拘束しました。留学生はその様子をスマホで撮影していた」(社会部記者)
学院は告示抹消の処分が下った直後、宮田智栄学院長名で謝罪文を発表。〈再発防止に真摯に取り組み、信頼回復ができるよう努めてまいりたいと存じます〉などとコメントした。
だが、現役職員Aさんは「問題はこれだけではありません」と明かす。
子供用ベットを並べて留学生を“すし詰め”に
「学院には学生のための寮が2つあります。学生たちは、入学後6カ月はそこで生活することになっているのですが、その寮の住環境が凄惨な状態なのです」