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 資生堂では上司が時短勤務者のBC一人ひとりに面談して、家族状況や意向を聞き、可能な範囲で夜や週末の勤務に入ってもらうことにした。決して一律に強制はしなかったといい、まず月1回の遅番から始めた人もいた。

資生堂ショックが与えてくれた気づき

 資生堂のこの改革は、一部メディアでは「労働強化」というニュアンスで報じられたが、育休制度や育児時間制度(短時間勤務制度)を何か改定したわけではない。当時資生堂ジャパン人事部長の本多由紀さんは、こう話していた。

「男女ともに育児・介護をしながらキャリアアップをしてほしいというメッセージを持って、働き方改革を行いました。資生堂は働きやすさはそのままで、社員一人ひとりと向き合ってキャリアを構築する第3ステージに入っています。配慮の大きさという点で見れば、大きすぎても小さすぎてもダメで、ジャストフィットするマネジメントが必要になります」

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 資生堂ショックは多くの気づきを与えてくれた。女性社員への支援は両立支援の充実から、キャリアをどう築くのかに移行しなければならないこと、育児や介護を抱える社員とそれをカバーする社員たちとの関係や職場の不公平感をどう解消していくのかということ。これまで福利厚生やCSRの文脈で語られてきた女性の活躍推進が経営戦略の一環になっていることを資生堂ショックは示していた。

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