三浦監督のパワハラが認められた一方で、報告書には選手らを失望させる文言が…
このように三浦監督のパワハラが一定程度は認められたが、その一方で報告書のなかには選手やスタッフらを失望させる文言が盛り込まれていた。
〈認定事実(a)について〉選手やスタッフへの暴行が恒常的なものであったとの証言は確認されておらず、日常的に暴行が行われていたような事案と比較すると、相対的にはハラスメントの態様の悪質性は低いと考えられます。
〈認定事実(b)(d)について〉特定の選手やスタッフのみを標的にしてハラスメントを繰り返すといった陰湿な事案と比較すると、悪質性の程度は相対的に低いとも考えられます。
しかし、前出の関係者によれば、「現場では『悪質性が低いなんて嘘だ』と猛反発が起きた」という。
「奈良クラブ戦の暴力は氷山の一角に過ぎません。報告書を読むと選手を鼓舞するための演出となっていたが、日々のトレーニングでの言動も含めて演出などではなく、感情の赴くままに行動しているようにしか見えない。
監督は、パワハラ報道が出た翌日の練習前、会議室に全選手、スタッフを集めて、『俺は強い奴にだけ強い言葉で指導している。弱い奴にはしていない。ただその中で強いと思った奴が弱かったか、ということかもしれない』と反省の言葉は一切なく、選手たちはあきれ返っていました。
さらに、シーズン最後の全体ミーティングで監督は、『自分は厳しく指導することに信念やプライドを持ってやってきた』と言っていた。でも、パワハラを認定された後はただただ褒めるだけ。本当に信念を持っていたのか甚だ疑問です」(同前)
ミスを批判された選手が突発性難聴に
「強い奴にだけ…」「信念やプライド」などと嘯いていたという三浦監督。関係者がパワハラの実態を語った。
「ヤスさんが物を壊す、選手にあたるといった行為は珍しくなく、選手やスタッフに対する侮辱発言も日常茶飯事でした。挙げたらキリがない。
報告書の認定事実(a)については、激昂した監督は『黙れ! 黙れ!』と叫びながらペットボトルを投げ付けました。仲裁に入ったスタッフに『なんでお前が止めるんだ!」と言いながら手を振り払い、その胸をド突いたのです。
認定事実(b)の〈ミスの場面の映像〉は、監督がスタッフに命じてミスプレイ集を作らせました。批判された選手はストレスから突発性難聴になり、年間を通じて通院していました。その選手は自ら退団しています。
他にも、監督に突き飛ばされて捻挫した選手は、怪我を押してプレイしたのに『動きの切れがない』とクビになりました。この選手が怪我をしていたことを監督は分かっていない。本人は怪我の理由を聞かれても答えられないので、隠してシーズンを過ごしました」(同前)
文春オンラインが入手した映像には、練習中の選手を強く引っ張り回す三浦監督の姿があった。また、激昂した三浦監督がスクイズボトルを蹴り飛ばすシーンもある。
一方で、報告書でも問題視された人種差別発言では、三浦監督は矛盾した行動を取っている。