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 じつは私の仲間にフェミニストを自認するテレビプロデューサーの女性がいます。彼女があるときこんな話をしていました。「テレビのニュースなんかでフェミニズムのことを扱うときに、“女性に美人もブスもない。外見は関係ない”と女性アナウンサーやタレントが言っているのを聞くと、かなり違和感がある。だって彼女たちはあきらかに普通の女性より美人だし、これまで“自分が美人であること”を利用してアナウンサーやタレントになったのはたしかなわけだから。おまえが言うな! と思ってしまう」

 やっぱりこの問題に「どこまでがオッケーで、どこからがアウトか」という明確な基準を決めるのはほぼ不可能だと思います。女性と男性で考え方が違うし、女性の中でも考え方の違いがあります。フェミニストの中でさえ、考え方の違いがずいぶんあるな、と女性のトーク番組を制作した経験のある私は感じています。

 たぶん、いちばん重要なことは「女性も男性もどんどん意見を言うこと」と「それぞれがお互いの意見を聞いて考えること」なのだと思います。特に女性は、昔は男性に言いたいことも言えなかったわけですから、じゃんじゃん言いたいことを言うのが大切です。それと並んで大切だと思うのは、「自分の意見と違う意見や、自分の考え方と違う表現も許容すること」なのではないでしょうか。

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 テレビマンもとにかく議論すること。そこから逃げて「なんとなくコワそうだから忖度する」と、真のジェンダー平等は絶対に生まれてこないと確信しています。