最近の大学生には苦学生が多いことをご存じかしら。歩いて一時間くらいの距離なら電車に乗らないなんて当たり前。朝食を抜く学生も多いため、百円で朝食を提供する大学が増えているの。昨年度の首都圏の私大新入生についていえば、一日の生活費は八百五十円。奨学金をもらっている大学生は全体の五割以上で、経済的な困窮は本当に切実なのよ。

 しかも、社会人になってからの奨学金の取り立てがとても厳しい。三カ月滞納するとブラックリストに載って、クレジットカードを作れなかったり、住宅ローンが組めなかったり。たった一カ月の滞納で会社に電話がくることもあるんですって!

 だから皆必死で返すんだけど、(無利子のものを除けば)利子も付くから、なかなか返し切れない。奨学金で保育士になったのに保育士の給料では返済できないからと、仕方がなくキャバクラに勤め始めた人もいるくらいなのよ。

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大学で思う存分学んでほしい!
Photo:Kyodo

 政府が返済不要の「給付型奨学金」の創設に向けて動き出したのは大きな前進だけど、問題は対象者の基準。高校の成績が「五段階評定で平均四以上」なんて厳しすぎる! 絶対に見直すべきよ。貧困家庭やひとり親家庭では、高校生のときからバイトをしている子も多い。塾も行けず自習する時間もない環境にあることを考慮した基準でないと。成績主義の考え方には憤りを覚えるわ。家庭の経済状況は子どもには一切責任がない。高校進学の段階で「あえてワンランク下の学校に入って奨学金をもらう」という流れができたら大変よ!

 財源についても、十九~二十二歳の子どもを持つ親の税負担を軽くする「特定扶養控除」の縮小、なんてケチなことを考えている。教育は未来への投資なのに、石頭の財務官僚は何もわかっていないのね。このままだと有能な人材が育つ機会が奪われて、日本が沈没しちゃうわよ!