今の子どもたちは、親世代が子どもだった頃とはメイクに対する意識が全く違います。ネットにはメイク情報があふれ、街には子どものお小遣いでも買えるようなプチプラコスメがたくさん売られています。むしろ、興味を持つのは自然なことです。
「子どもの頃からメイクなんてすると不良になるんじゃないか」などと心配する親御さんが結構います。「メイクをすること」と「不良になること」は全く別の次元の話です。メイクは顔をきれいに見せる働きがありますが、不良になる働きを持ってはいません。ロジックとして破綻しています。「服装の乱れは心の乱れ」などといった表現も同様です。
家庭の「軸」に、「メイクをしてはならない」という内容は入っていないはずです。評価するのではなく、今のその子のありのままを「認める」ことが大切です。
メイクは前頭葉の働きを活性化させる
「子育て科学アクシス」で学んでいたあるお母さんは、メイクがとても上手な娘に向かって、「お母さん、アイラインめちゃくちゃ下手なんだよね~。どんなふうにやってるの? 何使ってるの?」と教えてもらう言葉がけをしました。娘はとても喜んで、あれこれ教えてくれたばかりでなく、その後は、自分のプチプラコスメを買うついでにお母さんにも同じ物を買ってきて「これを化粧水の前につけるとノリが違うよ! ユーチューバーが言ってた!」などと言うようになりました。
もし、子どもが化粧をしているのを見つけたら、𠮟ったり、見て見ぬふりをしたりするのではなく、「お化粧してるの? すごく上手だね! お母さんにも教えて」などと声をかけましょう。そこから、親子のコミュニケーションが始まるのです。
まずは否定をせずに聞いてあげる
親子で会話を続けることで、子どもがなぜメイクをしたがっているのかがだんだん見えてくると思います。「純粋に自分をよりよく見せたいと思っている」「友達と一緒にメイクの研究をすることが楽しい」「ファッションも含めてアート的なことに興味関心がある」……理由がわかれば、「不良の始まり」などとは思わないはずです。