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駅前に出てみると…

 さて、その駅前は……。まあこれが、すがすがしいまでに何もない。駅前にあるものというと、目の前に小さな郵便局と洋品店があるくらい。傍らの駐輪場にはずいぶんたくさんの自転車が置かれていた。きっと、長生村に暮らす若者たちが自転車で駅までやってきて、電車に乗って学校に行ったのだろう。

 少し気になることといえば、駅前広場がなぜか普通の広場でも交差点でもなく、ラウンドアバウトになっていること。真新しいところをみれば、きっと最近になってリニューアルしたのだろう。ラウンドアバウトは、比較的交通量が多いところでもスムーズにクルマが流れるというメリットがあるなどと聞いたことがある。

 が、八積駅前、お世辞にも交通量が多いとは言えない。10分ばかり駅前に佇んでみても、その間に通ったクルマは2台だけ。そのクルマも、突然駅前に現れたラウンドアバウトになんだか戸惑っているように見えたのは気のせいでしょうか。

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九十九里までは結構あるので、村役場近くまで行ってみることにした

 そんな駅前にいつまでも佇んでいたところで、何かのイベントが勃発するわけではない。村の中を歩かねばならない。八積駅から九十九里までは……歩いてゆくと1時間30分近くかかるらしい。行って帰って3時間。さすがにそれでは日が暮れる。なので、仕方がないから駅の周りをぐるりと歩きつつ、村役場の辺りまで行ってみることにした。

 

 まずは駅前広場から少し南へ。駅前の道を少し歩くと、すぐに県道227号に出る。それほど幅の広い道ではないけれど、いちおうは県道だし、何かの抜け道になっているのか、クルマ通りがなかなか多い。

 おっかなびっくり歩いて行けば、古びた公園の脇に区画整理の竣工記念碑があった。区画整理と言っても住宅地というわけでもなさそうで、どちらかというと農地のための事業だったようだ。

新しめの住宅もチラホラと…実は人口約1万3000人の「長生村」

 それでも住宅は道沿いにそこそこある。いかにも古い住宅もあるが、新しめの住宅がいくつかまとまっているゾーンもある。

 

 長生村、村というからには人口はせいぜい数千人だろうと思っていたら、なんと1万3000人くらいはいるようだ。これ、東京からの京葉線などが終点としている上総一ノ宮駅のある一宮町よりも多い。そんなに住宅地という感じでもないが、ポツンポツンと点在している住宅ゾーンを合わせれば、それくらいになるのだろうか。