と応じた。岸川先生の3組で目標を達成したときややらなければいけないことをしたときにシールをもらえるシステムが始まったことを聞きつけ、ミカ先生のクラスでも「3組ずるい! 2組でもやりたい!」という声が上がったのだった。
仕方ないので遅れてシールシステムを導入したが、もともと計画しておらず、手持ちのシールもほとんどなかったため、100円ショップで子どもの喜びそうなシールをそろえたところだった。隣のクラスと差がつくといけないし、子どもたちがここまで盛り上がってしまった以上、やらないわけにはいかない。岸川先生にも本当は相談してほしかったが、まだ若い先生にプレッシャーをかけるとよくないのでいわないでおく。いわなくても、気にしているみたいだし。
図工の材料、修学旅行費用
今日の図画工作では、工作活動を行う。粘土や絵の具セットは保護者に買ってもらっているが、それに家庭から持ち寄ったお菓子の箱や割り箸、ビーズ、梱包材やモールなどをふんだんに使って飾りつけをする。すでにどんなものを作るのか決めているので、子どもたちは指示をすると各々にぎやかに作業を始めたが、今日も作田くんと桐島さんがまごまごしている。2人に聞くと、「材料を家から持ってこられなかった」という。予想通り。
ミカ先生は用意していた材料を2人に手渡して、「これ、好きに使っていいからね」というと、2人は喜んで作業を始めた。
じつは、作田くんは、先日の修学旅行で積立金が納入されないままだったため、ミカ先生は仕方なく2万円を代わりに納入して、一緒に修学旅行に行った。
修学旅行の積立金の督促業務は初めての経験だったため、事務職員の高井先生に相談したが、「頻繁に連絡して保護者に督促するしかないです」というアドバイスにならないアドバイスをされ、校長に相談したところ、「督促しても払えないなら連れて行けないよね。ちゃんと督促して」と、むしろ叱られてしまった。
もちろん督促はがんばったが、どうしても納付してもらえないので、家でパートナーに相談をしたところ、中学校ではもっと未納が多いらしく、ひとしきり督促業務についての愚痴めいた話を聞かされた後、「それくらいで一緒に修学旅行に行けるなら、払ってあげてもいいんじゃない」といわれてしまった。どうもパートナーとは金銭感覚にずれがある。でもやはり作田くんだけ行けないのは気の毒だ、という思いで、結局払ってしまった。保護者に督促を続けるのもつらくなってしまったというのもある。