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「友人と思っている」段ボールに閉じ込めて、黒板消しの粉を振りかけて…小山田圭吾が語る“後悔”

『小山田圭吾 炎上の「嘘」』より #2

5時間前

source : ノンフィクション出版

genre : ニュース, 社会

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〈クラスにいるときは、Kとしか話さなかった。Kって特技がひとつだけあって、学校の全員の名簿を暗記してるの。バスの中で一緒になったとき、「あいつの住所は?」ってきくとペラペラペラって出てくるの。見たこともない下級生や上級生の電話番号とか兄弟もわかってる。で、高校になるとみんな色気づいて下敷きの中にアイドルの写真とか入れてくるじゃん。Kも突然入れてきた。何かなと思って見たら、石川さゆりだった。「好きなの」って言ったら、「うん」〉(『月刊カドカワ』)

 また『クイック・ジャパン』では、沢田君の母と本人も少しだけ登場して、ライターの村上の質問に答えている。そこで母は「小山田君とは、仲良くやってたと思ってました」と言い、本人は村上の小山田と仲が良かったかという問いに「ウン」と語っている。

 記事の最後、小山田はこんなエピソードも語っていた。

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〈卒業式の日に、一応沢田にはサヨナラの挨拶はしたんですけどね、個人的に(笑)。そんな別に沢田にサヨナラの挨拶をする奴なんていないんだけどさ。僕は一応付き合いが長かったから、『おまえ、どうすんの?』とか言ったらなんか『ボランティアをやりたい』とか言ってて(笑)。『おまえ、ボランティアされる側だろ』とか言って(笑)。でも『なりたい』とか言って。『へー』とかって言ってたんだけど。高校生の時に、いい話なんですけど〉(『クイック・ジャパン』)

 インタビューの終盤、私は小山田の目を見据えて、少し語気を強めてこう質問した。

©文藝春秋

――沢田君が今、目の前にいたとして、小山田さんは彼が「友人」だと、本人の前で言えますか?

 小山田は即答した。

「はい。できます」

 そして、こう続けた。

「自分が雑誌でおもしろおかしく語ってしまったことは、本当に申し訳ないと思います。間接的にですが二次被害も与えてしまっているわけですから。今さら友人と言っていいのかなという思いもある。今、自分が親になって、自分の子どもがそういうふうに語られていることを想像したら……。ご家族や、同じような経験をしてこられた方が、雑誌で語られることで、どんな思いをされるのか。当時はそんなことも想像できなかったのです。本当に恥ずべきことだと思っています」

「友人と思っている」段ボールに閉じ込めて、黒板消しの粉を振りかけて…小山田圭吾が語る“後悔”

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